名古屋鉄道(名鉄)は、河和線の高横須賀駅〜南加木屋駅間に建設を進めている新駅について、名称を「加木屋中ノ池(かぎやなかのいけ)駅」とすることを決めました。
東海市が要望した“請願駅”
愛知県東海市の南部に位置する高横須賀駅と南加木屋駅の間には、広範囲におよんで住宅地が形成されています。また、知多半島北西部の中核病院となる「公立西知多総合病院」が2015年(平成27年)にこの地域に開院しました。しかしながら、両駅間の距離は2.8kmと比較的長く、病院への公共交通機関は周辺駅からのバスのみという状況です。
東海市の総合計画には、自家用車を過度に頼らないで生活できる交通環境をつくることが盛り込まれています。市内だけでなく、近隣地域からの来訪者が増えているこのエリアは、生活利便性の向上のための交通機能強化が急務であるとし、市は名鉄に新駅の設置を要請しました。両者は駅をつくることで2015年9月に合意し、着工に向けた協議を経て、市が名鉄に駅の整備を委託する基本協定が2020年(令和2年)2月に締結されました。
駅名は、新駅を主に利用する「加木屋町」「中ノ池」の両地域の住民にとってわかりやすく、親しまれることを願って名鉄が決定しました。同社は2022年12月22日(木)、国土交通省中部運輸局に駅名の届出を行っています。
併せて、東海市の要望により副駅名「公立西知多総合病院前」が定められ、ホームに掲出される駅名看板に表記されることも発表されています。なお、駅ナンバリングは、駅設置を見越してあらかじめ確保されていた「KC02」が付番されます(加木屋中ノ池駅周辺の路線図など詳細は下の図表を参照)。
病院まで濡れずにアクセス
加木屋中ノ池駅には6両編成に対応した方面別の相対式ホーム2面が設けられ、エレベーターの設置によりバリアフリー化が図られます。開業時期は2023年度末の予定ですが、最初の段階では病院に近い「北改札口」のみが設置されます。2024年度には「南改札口」が使用開始となる予定です。
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なお、駅係員は配置されず、係員配置駅から遠隔で案内業務を行う「駅集中管理システム」に対応した自動改札機や自動券売機、インターホンなどが設置されます。
東海市は今後、新駅を中心としたまちづくりを推進し、都市機能を誘導することでコンパクトシティを形成したい考えです。駅前広場や歩行空間を整備するとともに、駅から病院までのアクセス通路には屋根を設置し、雨の日でも傘をささずに通行できるようにする予定です。また、駅付近には東西方向に都市計画道路「養父森岡線」が整備され、同時に進められる立体交差事業により名鉄線路も高架化されます。